脊椎動物の身体動作 - 趣味で学問

脊椎動物の身体動作

動物行動は、例えば求愛行動とか捕食行動のように、一連の身体動作の連鎖を指す言葉です。歩行や遊泳とかは行動とは呼ばず、行動を成す一つ一つの要素的な動作として考えられているのが一般的です。行動に比べれば、この運動や動作と呼ばれる動物の行う動きは単純なはずですが、それでも生理学的な機構が明らかになったとはとても言えません。明らかになっているのは「身体部位が動くこと」の仕組みで、まずはそこからページを作っていくことにします。

脊椎動物は内骨格系と呼ばれる、内側に骨格があってその外側の筋肉により骨格を動かす仕組みを持ちます。筋肉は収縮するときに力を発揮するので、その力で筋肉に繋がっている骨を引っ張って身体部位を動かします。図1にひじ関節を動かす筋肉と骨格を簡単に示します。

肘関節の内と外両方に筋肉が腱を介して骨と繋がっていて、上腕二頭筋の収縮により腕が曲がり、上腕三頭筋の収縮により腕が伸びます。腕を伸ばすのも筋肉の収縮です(本当はいろいろあるのですがいったん飛ばします)。

手の位置を維持するとか肘を曲げる・伸ばすとか、ただこれだけの動作でも両側の筋を適切に収縮・弛緩させないと上手くいきません。この予想以上に制御が難しい身体部位の作動が全身で行われることで、歩行などの身体動作もしくは行動成分と呼ばれる、身体の動きの連鎖が成立します。さらにこれらの要素的な身体動作が連接されて求愛行動とか捕食行動とか、一般に動物行動と呼ばれる一連の動きのまとまりになっています。

この要素の要素でしかないのに制御の難しい身体部位の作動とそのまとまりである身体動作、さらに動物行動の関係をどう考えればよいでしょうか。単純に各要素の身体部位の作動を足し合わせて身体動作、それをさらに足し合わせて動物行動と考えてよいものでしょうか。いまだにその答えは明確にはなっていません。とはいえこのサイトではより要素的で単純(そう見えるだけかもしれませんが)な作動から説明していくことにします。これは多くの著作と同じように、その問題点を理解したとしても、比較的機構が明らかになっている単純な作動から説明する以外に方法がないためです。

<< 動物行動の説明における対立的な概念対 反射とCPGとプレ・プログラム反応 >>

ホーム » 心理学 » 動物行動学 » 脊椎動物の身体動作

むつきさっち

物理と数学が苦手な工学博士。 機械翻訳で博士を取ったので一応人工知能研究者。研究過程で蒐集した知識をまとめていきます。紹介するのはたぶんほとんど文系分野。 でも物理と数学も入門を書く予定。いつの日か。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA