等比数列の和 - 趣味で学問

等比数列の和

等差数列と同様、等比数列でも第n項までの和をnを用いて表現することができます。先に等比数列の和の公式を示しておきます。

\begin{align} S_{n}=\frac{a(1-r^n)}{1-r}\cdots①\\ =\frac{a(r^n-1)}{r-1}\cdots①’\\ \end{align}

この公式の導入の仕方がけっこう重要なので、公式の求め方とセットで公式を覚えてみてください。

第n項までの和Snとそれに公比rをかけたrSnを上下に並べます(図1)。

このときにrSnの各項を一つずらして並べます。こうすることで上のSnから下のrSnを引くと、きれいに打ち消してS1のaとrSnのarnだけが残ります。左辺はSn-rSn=(1-r)Sn、右辺はa-arn=a(1-rn)になるので、両辺を1-rで割ると①の公式が出てきます。この手順を知っていると①の方が覚えやすいですが、計算は①’の方が簡単なことが多いです。それほど違いはないのでどちらかを覚えておけば問題ありません。

初項3、公比-2の等比数列a_n=3,-6,12,-24…を例にとってS_nを計算してみます。第n項までの和は①の公式より下のように計算できます。

\begin{align} S_{n}=\frac{a(1-r^n)}{1-r}\\ =\frac{3\{1-(-2)^n\}}{1-(-2)}\\ =\frac{3\{1-(-2)^n\}}{3}\\ =\{1-(-2)^n\}\\ \end{align}

第4項までの和S_4であればこの結果にn=4を代入して{1-(-2)4}=-15です。3+(-6)+12+(-24)=-15なので、確かに一致していることがわかります。

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むつきさっち

物理と数学が苦手な工学博士。 機械翻訳で博士を取ったので一応人工知能研究者。研究過程で蒐集した知識をまとめていきます。紹介するのはたぶんほとんど文系分野。 でも物理と数学も入門を書く予定。いつの日か。

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