1.動物行動学が停滞気味となる理由
これから動物行動学の入門ページを書いていくことにします。かつてはアルフレッド・ケーラーやコンラート・ローレンツらでそこそこ有名でもあった「動物行動学」ですが、一般的な関心だけでなく生物学分野でも顧みられることは少なくなっています。といっても別に役に立たないから顧みられないわけではなくて、壁にぶつかって何十年も研究が進んでないことがその要因です。
まず動物行動学の基盤となる神経生理学が停滞気味です。それからケーラー、ローレンツ、ティンバーゲンら、動物行動学を牽引した人物がある種のまねのできない能力の持ち主で、彼らの研究を引き継げる人がいなかったのも要因のようです。さらに脳科学や心理学といった主要分野が、動物行動学や神経生理学と相性の悪い考え方を採用しているのも大きな要因でしょう。停滞が必ずしも悪いわけではなくて、新しい内容の把握に追われることなく蓄積された知見を吟味できるということでもあります。
2.本サイトで紹介する内容
このサイトではローレンツおよび彼の研究をもとにした著書を参照にしてページを作成していく予定です。もはや古典といってよい内容ですが、上の事情から最新の研究でもあります。動物行動学の入門ページなので、初学者の人でも他の資料なしに読めるようにはしたいです。そうすると生物学の基礎(高校生物レベル)と神経生理学の基礎(大学レベル)の一部をこのサイトで紹介する必要があります。生物学基礎は高校生物ページに任せるとして(22/10/31時点で未作成)、神経生理学分野で必須の内容をまとめておかないといけないでしょう。動物行動学は神経系がそれほど発達していない動物も対象にしているのですが、自分の関心から脊椎動物に限ってページ作成する予定です。さらに心理学や精神医学(ローレンツはフロイトを参照している)からも、必要と思われる内容は紹介しておこうと思います。
ざっと上げる予定の事前知識ページを箇条書きで示すと次のようになります。
- 生命現象基礎(高校生物ページ)
- 神経生理学の必要項目
- 心理学、精神医学での関連事項
- 魚の捕獲、飼育、観察
4だけ異質に見えるかもしれませんが、動物の行動を対象とする学問分野なので、自分で動物を観察することがとても大きな効果を発揮してくれるのは間違いありません。自分の飼育する脊椎動物は魚類だけなので、自分の経験をもとにした魚の飼育・観察方法も上げておこうと思います。ぜひ自分で行動観察を体験してみてください。
動物行動の分類 >>

コメント