二元一次連立方程式 - 趣味で学問

二元一次連立方程式

今回からしばらく連立方程式についてです。まずは連立方程式がどういうものかについて説明します。

ある関係式x+y=4…(1)があったとします。未定の数xとyを足すと4になりますよ、という式です。あるときxが3だと決まったとすると、未定だったxが3になって式(1)は3+y=4となってこの式を満たすyは1と決まります。こんな感じでx+y=4を満たすxとyの組は、xとyのどちらかの値が決まればもう一方が自動で決まります。式(1)を満たすxとyの組はかなり限られるんですが、それでも無数にあります。この式を満たすxとyの組の一部を下に取り出してみます。

表1 x+y=4を満たすxとyの値
  x    -2   -1   0   1   2   3   4   5   6 
y 6 5 4 3 2 1 0 -1 -2

ある法則性があって、xが増えるごとにyが同じだけ減っています。

今度はx-y=2…(2)の場合を考えてみます。これもさっきの式と同じで、この式を満たすxとyの組が決まってきて、でもやっぱり無数に組があります。(2)式を満たすxとyの組の一部は下のようになります。

表2 x-y=2を満たすxとyの値
  x    -2   -1   0   1   2   3   4   5   6 
y -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4

この表からも法則性が読み取れて、xが増えるごとにyが同じだけ増えています。上の二つの表を見比べてみると(x,y)=(3,1)の組が共通していることがわかります。このことはどういうことかというと、x=3、y=1という値の組は(1)式と(2)式の両方をを満たしているということを意味しています。二つの表を見比べてみると、(1)式のxが1増加するごとに1減少する性質と、(2)式の1増加するごとに1減少する性質から、xが3から離れるごとに二つの式のyの値が大きくずれていくので、結局両方の式を満たす値の組は(x,y)=(3,1)の一つだけであるのがわかります。ここまでの話をまとめると、x+y=4とx-y=2、この二つの式を同時に満たすxとyの組はx=3とy=1の一つだけですよ、ということです。

長い前振りになりましたが、上で行った操作、二つの式を同時に満たすxとyの組を一つ見つけ出すことが「連立方程式を解く」ことです。連立方程式の書き方は決まっていて、下の式のような書き方をします。

\begin{align} \left\{ \begin{array}{l} x+y=4 \\ x-y=2 \end{array} \right. \end{align}

この連立方程式を解いて、その解は(x,y)=(3,1)だ、という感じの言葉で表現します。連立方程式の解き方もだいたい決まっていて、それらの方法を用いて連立方程式を解く練習が、学校の授業では続きます。ちなみに上の連立方程式は二元一次連立方程式に分類されます。連立方程式の種類によって、解き方や解の数が変わってくるのですが、今は気にしないでください。

二元一次連立方程式の解き方には、代入法と加減法の二つがあります。次回はそのうちの代入法について説明します。
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むつきさっち

物理と数学が苦手な工学博士。 機械翻訳で博士を取ったので一応人工知能研究者。研究過程で蒐集した知識をまとめていきます。紹介するのはたぶんほとんど文系分野。 でも物理と数学も入門を書く予定。いつの日か。

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