連立方程式の利用 - 趣味で学問

連立方程式の利用

一次式の連立方程式を立てて解くことは、現実にもけっこうあります。中学数学の連立方程式の問題には、そんな場面あるかな?と思えるものもけっこうあるのですが、そういう使い方はありそうと思えて中学生がわりと苦手とする問題に食塩水の問題があります。ここでは具体的な連立方程式の利用の仕方を一題だけ示すことにします。

ある条件を満たす値が知りたいときに、方程式を立てて解くことで見つけることができる場合がたくさんあります。その値をみつけるには、まず条件を式の形に現わしてみることが有効です。実際には式の形によってわかる場合もわからない場合も、特定の値に決まることも決まらないこともありますが、中学数学の問題では気にしなくてよいです。すでに二元一次連立方程式の解き方はわかっているので、条件をその形の式に表現することができれば、あとは機械的に方程式を解いて値を見つけることができます。

ここでは次の値を見つけたいとします。

「8%の食塩水と3%の食塩水があります。今5%の食塩水が400g欲しいです。8%と3%の食塩水を使ってこの食塩水を作るには、それぞれの食塩水が何g必要ですか。」

方程式の立て方はだいたい決まっています。できるだけ、方程式を解いたその値が求める値であるのが楽でよいです。だから今見つけたい8%(質料パーセント濃度)の食塩水と3%の食塩水をそれぞれxgとyg使うとします。そしてxとyの二つの変数を使ったので、方程式を解いて値を一つに決めるには、二つの式が必要です。条件文からすぐに式を立てられるときは、立てて解けばそれで終わりなのですが、式を立てられないときはねばって考えても式が思い浮かばないことはよくあります。そういう場合は、条件文を簡単に図で表現するなり、何か手を動かしてみる方が早道だったりします。条件文を簡単に図示すると図1のように書けるので、これを元に式を考えることにします。

二つの食塩水を混ぜ合わせて一つの食塩水を作るので、混ぜ合わせる前と後で二つの状態ができます。二つの等式が必要なので、前後の状態で値が等しくなるものを探します。まずは食塩水の量を考えて、xgとyg足し合わせると400gになるので、

\begin{align} x+y=400 \end{align}

という式に表せます。問題を何個か解けば必ずといっていいほど出てくる形なので、こちらはすぐにみつけることができると思います。

問題はもう一つの式で、食塩水の問題の場合はたいてい、食塩水に含まれる食塩の関係に着目すれば式が出てきます。食塩は食塩水に含まれているので、混ぜ合わせる前の食塩の量と混ぜて出来上がった食塩水の中に含まれている食塩の量は一緒になるはずです。食塩の量の関係を式に表すと、

\begin{align} x\times\frac{8}{100}+y\times\frac{3}{100}=400\times\frac{5}{100}…② \end{align}

となります。

二つの食塩水を混ぜた後に5%の食塩水が400gできているのだから、この中に含まれている食塩の量は400×(5/100)で20gです。 この20gの食塩はどこからきたかというと、8%の食塩水xgの中の食塩と、3%の食塩水ygの中の食塩です。 なので8%の食塩水xgの中の食塩x×(8/100)と、3%の食塩水ygの中の食塩y×(3/100)を足すと、5%の食塩水400gの中の食塩400×(5/100)=20と等しいです、というのが②の意味です。 これで①と②の二つの式が揃いました。 二つの食塩水を混ぜ合わせて5%の食塩水400gを作るには、この二つの式を満たしていないといけないので、この二つの式を満たすxとyを連立方程式を解いて求めれば、それぞれ何g使わないといけないかがわかります。 立てられた連立方程式とその解き方は次の通りです。

\begin{align} \left\{ \begin{array}{l} x+y=400…① \\ x\times\frac{8}{100}+y\times\frac{3}{100}=400\times\frac{5}{100}…② \\ \end{array} \right. \end{align} \begin{align} ②\times100より8x+3y=2000…②’ \\ ①\times3より3x+3y=1200…①’ \\ ②’-①’より8x-3x+3y-3y=2000-1200 \\ 5x=800 \\ 両辺を5で割ってx=160 \\ この値を①に代入すると160+y=400 \\ 左辺の160を右辺に移項してy=400-160=240 \\ よって(x, y)=(160, 240) \end{align}

上の結果より、8%の食塩水160gと3%の食塩水240gを足すことで5%の食塩水400gを作れることがわかります。

中学数学の連立方程式の利用はいろいろな種類の問題がありますが、食塩水の問題と時間・距離・速さの問題ができれば、他の問題もたいていできると思うので、もうちょっとやってみたい人は時間・距離・速さの問題をやってみてください。 ネットでもたくさん見つかると思います。

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むつきさっち

物理と数学が苦手な工学博士。 機械翻訳で博士を取ったので一応人工知能研究者。研究過程で蒐集した知識をまとめていきます。紹介するのはたぶんほとんど文系分野。 でも物理と数学も入門を書く予定。いつの日か。

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