三角比とは - 趣味で学問

三角比とは

三角比は直角三角形の辺の比をもとにする値のことです。直角三角形は三平方の定理より二辺がわかれば三辺の長さがわかります。直交座標系では点の位置を直交する各軸の位置の組で表現するので、いたるところに直角三角形が現われ、三辺の比が重要な意味を持つことになります。

三角比がどのように利用されるかはひとまずおいておいて、三角比がどういうものか示すことにします。

図1(a)における、(縦の辺)/(斜辺)の値がsin(サイン)、(横の辺)/(斜辺)がcos(コサイン)、(縦の辺)/(横の辺)がtan(タンジェント)です。よく言われる覚え方は図1(b)のように筆記体のs、c、tを直角三角形の上に書いてみることです。斜辺と横の辺との間の角度によって三角比の値が決まり、角度をθとすると、角度θのときのサインの値がsinθ、コサインの値がcosθ、タンジェントの値がtanθです。図1(a)の直角三角形では次の値になります。

\begin{align} \sin \theta = \frac{4}{5}, \cos \theta = \frac{3}{5}, \tan \theta = \frac{4}{3}\\ \end{align}

直角三角形の三辺の長さの比に関する値なので、直角三角形の大きさが異なっていても形が同じであれば三角比は同じになります。気をつけないといけないのが角度をどこにとるかで三角比は変わるので、合同な三角形でも図2の(a)と(b)の三角比は異なる値になります。


図2(a)と(b)の三角比の値は次の値になります。

\begin{align} (a) \sin \theta = \frac{1}{2}, \cos \theta = \frac{\sqrt{3}}{2}, \tan \theta = \frac{1}{\sqrt{3}}\\ (b) \sin \theta = \frac{\sqrt{3}}{2}, \cos \theta = \frac{1}{2}, \tan \theta = \sqrt{3}\\ \end{align}

これだけだとなにがうれしいのかわからないと思います。三角比はすぐに円周上の点と座標で定義し直され、円周上を周ることと関係づけられます。この円周上を周るということは波と関係付けることができるのですが、そのことは数Ⅱの三角関数で取り扱われることになります。

三角比と辺の長さ >>

むつきさっち

物理と数学が苦手な工学博士。 機械翻訳で博士を取ったので一応人工知能研究者。研究過程で蒐集した知識をまとめていきます。紹介するのはたぶんほとんど文系分野。 でも物理と数学も入門を書く予定。いつの日か。

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