余弦定理 - 趣味で学問

余弦定理

正弦定理の次はcosに関連する余弦定理についてです。余弦定理は三角形の辺の長さと角度の関係についての法則です。

図1の三角形をもとに、余弦定理を示すと以下になります。

\begin{align} a^2=b^2+c^2-2bc\cos A…①\\ b^2=a^2+c^2-2ac\cos B…②\\ c^2=a^2+b^2-2ab\cos C…③\\ \end{align}

複雑で覚えづらい形をしていますが、この式を完全に覚えてしまう必要があります。三角形の二辺とその間の角の関係から残り一辺の長さがわかる、そんな形の定理だと思うと少し覚えやすくなります。三つともよく似た形で法則性があるので、一つ覚えれば残り二つは簡単に覚えられるでしょう。

cosの形に変形した次の形もあります。

\begin{align} \cos A=\frac{b^2+c^2-a^2}{2bc}\\ \cos B=\frac{a^2+c^2-b^2}{2ac}\\ \cos C=\frac{a^2+b^2-c^2}{2ab} \end{align}

こちらは3辺の長さがわかればcosもわかる、そのような形になっています。上のものを式変形して簡単にでてきますので特に覚えなくても大丈夫です。実際には問題をたくさん解いていると自然と覚えていたりします。

証明はけっこう面倒くさくて教科書とかには載っていないかもしれません。気になる人はネットで調べてみてください。

一題だけ具体例を解いてみます。

図2の三角形ではcの値がわかっていません。このcの値を余弦定理で求めることができます。cの値を求めたいので③の式を使えばよいように思えますが、cosCがわかっていないので使えません。かわりにaとcosA(cos30°=√3/2)がわかっているので①の式を使ってcを求めることができます。値を①式に代入して計算してみます。

\begin{align} a^2=b^2+c^2-2bc\cos A\\ 2^2=\sqrt{3}^2+c^2-2\sqrt{3}c\frac{\sqrt{3}}{2}\\ 4=3+c^2-3c\\ c^2-3c-1=0\\ c=\frac{3\pm\sqrt{13}}{2}\\ c>0よりc=\frac{3+\sqrt{13}}{2}(∵\sqrt{13}>3)\\ \end{align}

代入して計算していくと二次方程式の形になりました。これを解いて±両方の値が出てきますが三角形の辺の長さなので+の(3+√13)/2がcの値と決まります。

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むつきさっち

物理と数学が苦手な工学博士。 機械翻訳で博士を取ったので一応人工知能研究者。研究過程で蒐集した知識をまとめていきます。紹介するのはたぶんほとんど文系分野。 でも物理と数学も入門を書く予定。いつの日か。

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