1.反復試行の確率
1.1 反復試行の確率の式
同じ試行を何度か繰り返すときの確率を反復試行の確率といいます。ある試行が次の試行に影響するわけではないので、独立試行の確率の一例ともいえますがあまり気にしなくてよいかもしれません。まずは定義を先に書いておきます。n回同じ試行を繰り返すとき、事象A(その確率はp)がr回出るときの確率は以下の通りです。
\begin{align} {}_n \mathrm{C}_r p^r (1-p)^{n-r} \end{align}1.2 具体例
具体例の方がわかりやすいでしょうから、サイコロを続けて何度か振る場合で説明してみます。「サイコロを3回振って、1または2の目が2回出る確率」を知りたいとします。サイコロを1回振って1または2の目が出る確率は、2通り/全6通り=1/3です。1または2の目が出ない確率は1-1/3=2/3です(余事象)。サイコロを3回振って、1または2の目が2回出て3から6までの目が1回出るということですから、1/3×1/3×2/3で2/27の確率に思えます。1回目と2回目に出て3回目に出ないという確率ならこの値で正しいです。実際には1回目と3回目、2回目と3回目に出る場合もあるので、この3通りの確率を足す必要があります。1回目と3回目に出る場合の確率は1/3×2/3×1/3で、さきほどと同じ2/27になります。残り一つの場合でも同じです。今計算したことを表にまとめてみます。
| 1回目 | 2回目 | 3回目 | 確率 | |
| (a)一通り目 | 〇(1/3) | 〇(1/3) | ×(2/3) | 2/27 |
| (b)二通り目 | 〇(1/3) | ×(2/3) | 〇(2/3) | 2/27 |
| (c)三通り目 | ×(2/3) | 〇(1/3) | 〇(1/3) | 2/27 |
「サイコロを3回振って、1または2の目が2回出る」場合は(a)、(b)、(c)の3通りあります。この3通りとも同じ確率2/27なので、この確率を3倍して、求める確率は2/27×3=2/9です。「3通り」である理由は、1または2の目が出る場合を3つの試行の中から2つ選ぶと考えればよいためです。3つの中から2つを選ぶ場合の数はいわゆる「組み合わせ」で、3C2=3C1=3です。上の表は、3つの中から2つ選ぶのも残りの1つを選ぶのも同じ通り数になる、ということのよい例になっています。
1.3 式の意味まとめ
では最後に式の意味をもう一度考えることにします。試行n回中に事象Aがr回出る場合は、事象Aが何回目の試行で出るかの違いにより何通りかあるのですが、どの場合も同じ確率pr×(1-p)n-rになります。確率が同じなので、これに何通りあるかをかけることで、求める確率「試行n回中に事象Aがr回出る確率」がわかります。何通りあるかはn個の中からAがr個出る場所がある(組み合わせの考え方)と考えて、nCr通りです。したがって求める確率「試行n回中に事象Aがr回出る確率」は、nCrpr(1-q)n-rです。

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