1.システムの自己言及
- システムの自己言及:オートポイエーシス・システムのそれまでの作動が、新たな構成素の産出に際して攪乱を与え、その構成素もしくは構造の状態がシステムそのものの作動を反映すること。
オートポイエーシス・システムは、自己の成立に必要な環境を作り出しているとも言えるので、自己言及的に作動することはむしろ自然なことに思えます。わざわざこの概念が定義された理由は、上の定義での後半、構成素や構造の状態がシステムの作動を反映している、という部分にあります。この概念を用いて言及システムを考えることで、意識(表象)と神経系の関係を言及システムとして説明することができます。というよりも、神経系と表象の関係を説明するためにこの概念が考えられた、といった方が適切かもしれません。
2.言及システム
- 言及システム:システムの自己言及によって構成素に生じる攪乱をコードとして作動する、まったく別の産出プロセスによる新たなシステム。
元のシステムの構成素とは異なる、新たな構成素が産出されて閉域が形成されたとします。さらに、その新たな構成素は、それまでの元のシステムの作動、より正確にはそれに基づくその時点までのシステムの構造の状態を反映(自己言及)しているとします。このとき、自己言及に基づくまったく新しいオートポイエーシス・システムを、元のシステムの「一階言及システム」と呼びます。すでに成立しているオートポイエーシス・システムの作動で新たなシステムが成立しているので、システム分化の一種となります。
言及システムの性質として、元のシステムの状態を反映することから、言及システムの成立の方が元のシステムよりも遅れること、言及システムは元のシステムに依存することが挙げられます。そしてさらに高階の言及システムを考えることができ、これによって意識や認識についてオートポイエーシス論で考えることができるようになります。
3.参照文献
- 参照文献:山下和也『オートポイエーシス論入門』(ミネルヴァ書房)
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