組み合わせ - 趣味で学問

組み合わせ

高校の確率で順列の次に重要なのが「組み合わせ」です。「組み合わせ」は複数個の中からいくつか選ぶ選び方のことです。順列をもとに説明されることが多く、計算式も順列をもとにした形になっているので、ここでも順列をもとに説明します。

説明の前に組み合わせの記号と計算式を書いておきます。n個の中からr個選ぶときの場合の数は下のようになります。

\begin{align} {}_n \mathrm{C}_r=\frac{{}_n \mathrm{P}_r}{r!} \cdots ①\\ =\frac{n!}{(n-r)!r!} \cdots ② \end{align}

計算の具体例を示しておきます。7個の中から3つ選ぶ選び方7C3の計算は下となります。

\begin{align} {}_7 \mathrm{C}_3=\frac{{}_7\mathrm{P}_3}{3!}\\ =\frac{7 \cdot 6 \cdot 5}{3 \cdot 2 \cdot 1}=35\\ \end{align}

このようにあまり大きくない数の具体的な計算は①式で簡単に計算できますが、②の形もよく利用されるので覚えておくと後に役に立ってくれます。順列のページで示したようにnPr=n!/(n-r)!と式変形できるので、これをr!で割ってnCr=n!/(n-r)!r!の式が出てきます。

順列nPrはn個の中からr個選んで順番に並べる場合で、組み合わせnCrはn個の中からr個選ぶ場合です。組み合わせに比べて順列では、「順番に並べる」ことでその並べ方の数だけ増えてしまっているので、余計に数えてしまった分だけ割れば組み合わせの場合の数になる、①の式はそんな意味の形になっています。言葉による説明だけだと、順列の方が場合の数が多いことがよくわからないかもしれません。ここではAからGの7つからA、B、Cの三つを選んだ場合で考えてみます。順列ではこの三つを順番をつけて並べるので図1のように6通り(3!通り)の並べ方があります。

組み合わせではこの6通りの並べ方の区別をつけずに一つの同じ場合として考えるので、順列の方が組み合わせの場合の6倍多くなっています。A、B、C以外の組み合わせでも同じように6倍になっているので、結局のところ順列を全通り求めておいて6で割ってやれば組み合わせ全通り数がわかります。組み合わせがわかれば順列もわかることも意味していますが、順列を求める方が断然楽なので、楽な方の順列を先に求めてから組み合わせの通り数を求めていることになります。
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むつきさっち

物理と数学が苦手な工学博士。 機械翻訳で博士を取ったので一応人工知能研究者。研究過程で蒐集した知識をまとめていきます。紹介するのはたぶんほとんど文系分野。 でも物理と数学も入門を書く予定。いつの日か。

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