数列の和

数列の和の方がわかっているときに、その数列の一般項を求めることができます。初項から第n項までの和をSnとすると、n-1項までの和はSn-1と書けます。n-1項までの和がSn-1なので、それに第n項anを足せばSnになります。式で書けばSn-1+an=Snです。移項して式変形すればSn-Sn-1=anです。あたりまえと言えばあたりまえですが、この公式でSnからanを求めることができます。ただし注意点があって、式の中にn-1項の部分があって、第1項から始まるという条件からn-1が1以上、つまりnが2以上という条件がつきます。まとめると公式は次のものです。

\begin{align} n≧2のとき\\ S_n-S_{n-1}=a_n \end{align}

第1項のa1についてはanを求めたあとで、その式から求めたa1が適切であるか確認しないといけません。S1は初項だけの和?なのでa1でもあります。Snがわかっている場合はS1=a1が定められた値なので、求めたa1とS1が一致するか確認する必要があります。

実際に問題を一題やってみましょう。Sn=n2-3nのときanを求めるとします。解答は下のようになります。

\begin{align} n≧2のときS_n-S_{n-1}=n^2-3n-\{(n-1)^2-3(n-1)\}\\ =n^2-3n-(n^2-2n+1-3n+3)\\ =n^2-3n-(n^2-5n+4)\\ =2n-4=a_n\\ S_1=1^2-3\cdot1=-2、2\cdot1-4=-2と一致することより\\ a_n=2n-4 \end{align}

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近代の民主主義

民主主義は古代ギリシアで生まれたものではありますが、現在はそれとはまた違った性質を持った民主主義社会であると考えられています。近代民主主義社会(近代と現代はほぼ地続きとして使っています)にいながらその民主主義がどういうものかよくわからない、という状態がこのサイトでの民主主義ページ作成の動機でした。よくわからないながらにも、いまわかっている範囲で近代民主主義についてまとめてみることは有用なはずです。ここでは近代民主主義成立の歴史的経由を踏まえて、なぜ現在の政治制度が民主主義と呼ばれているのか考えてみることにします。

1.近代民主主義と呼ぶために

近代民主主義の特徴とは何かを挙げようとするすると、普通選挙制による議会制(間接民主主義)くらいしかすぐに思い浮かびません。もちろん性別や身分に関係なく選挙権があるというのは、近代民主主義において初めて実現したでしょう。しかしこれだけでは、国民が主権者となって自分たちで責任をもって決定するという、古代ギリシアで成立したであろう民主主義の理念を満たしているようには思えません。宇野重規によると、現代の議会制を民主主義と見なすためのヒントを、トクヴィルの思想に見つけることができるようです。

トクヴィルは政治体制としての民主主義だけでなくて、市民が自分たちで地域の諸問題の解決に参加する、その活動に民主主義を見出していました。彼の考えだと単純に政治制度で民主政が成立するのではなく、代議制でも地域の問題への市民の積極的なかかわりがあれば民主政と言えるということでしょう。古代ギリシアの民主主義のようには直接的に議会に参加できないとしても、「民主」主義というからには人々の自主的な活動が必要ということです。

2.歴史的経緯

近世から近代にかけての、欧米での民主主義の歴史的経緯を簡単にまとめておきます。近代民主主義の成立は、議会制の成立と拡張の歴史とも言えます。

2.1 イギリスの議会制

西欧では王権による中央集権化が進む一方で、これに対抗する社会の力も強まりました。王権など国家権力に相当するものが、社会に対して説明する必要が生じるのは、集権化した権力とそれに抵抗する社会集団の間で力の均衡がとれているときのみです。

この均衡がとれた国の一つがイングランドです。十七世紀の革命を通じて、十八世紀には議会主権が確立し、十九世紀以降に選挙権が拡大しました。要因としては、土地囲い込み運動などを通じて、早くから商業社会に適応した領主や地主が議会を拠点として王権に対抗したことが挙げられます。さらにこの連合に新興の商工業階級であるブルジョワが加わります。

2.2 アメリカ憲法制定会議

アメリカ独立戦争は民主主義のためというわけではなく、自らを英国人として理解する当時の人々において、英国からの不当な課税への反発の方が大きな要因だったそうです。結論をいうと、アメリカ合衆国憲法は妥協の産物で、ヨーロッパ諸国との緊張が続くなか、連邦国家としてのアメリカ合衆国をうちたてるという意志のもと、憲法制定会議が開かれます。

一般的な理解と違ってアメリカ「建国の父」たちは民主主義に警戒的だったのですが、民主主義的な側面を当時のアメリカに見ることは可能です。「建国の父」たちが理想としたのは、「高い知性を持つ、有徳な人々」による共和国であり、大きな国家で可能なのは、代議制を取り入れた共和政だと考えられていました。一方、フランス人貴族のトクヴィルは、アメリカ合衆国において地域の諸問題の解決に参加する市民の活動に、民主主義の力を見いだします。トクヴィルは政治体制としての民主主義だけでなく、社会のさまざまな側面においてみられる平等化の流れ、さらにはその流れの中に現れる人々の思考法や暮らし方までを含めて「デモクラシー」と呼んでいます。

2.3 フランス革命

1789年のバスティーユ監獄の襲撃を期に市民の不満が爆発しフランス革命がはじまります。財政赤字に苦しむ王権が約170年ぶりに三部会を開きます。三部会のうちの第三身分、平民の代表が進まない議論に不満を募らせ、自分たちを「国民議会」と宣言します。「国民とは平等な個人から構成される」という考え方から、世襲される貴族の権利を批判します。その後、革命が急進化していき、王国の一体性を体現していた国王の処刑により、革命は自らの正当性として抽象的な原理を必要とすることになります。フランス革命でその原動力となったといわれるルソーの『社会契約論』ですが、実際には革命が急進化する過程において必要とされたのがルソーの思想です。

フランス革命には特権階級が民衆を搾取し抑圧した結果起きたという側面とは別に、フランスの農民は農奴の地位から早くに脱しており、すでに隷属状態から脱していた農民が特権を享受する階層に不満を抱いたという理由があります。フランス革命が地主貴族層を破壊し、その上に、近代的な私的所有権の制度が打ち立てられることになりました。

3.民主主義と選挙制をつなぐ

近代民主主義の歴史から民主主義の特徴をもう一度考えてみましょう。民主主義というからには市民、民衆、国民を中心とした制度でなくてはなりません。そのためには市民の積極的な政治への参加が必要で、西ヨーロッパでは革命や選挙権拡大のための運動として、市民の政治活動が具体的な形として現れてきています。選挙を通して市民が国家としての意志決定をする、という点で確かに民主主義と呼べる政治体制と思えます。またアメリカ合衆国では革命のような派手さはないのですが、地域の諸問題に市民が共同して解決に参加するという、選挙とは違う形の民主主義があったと考えられるでしょう。現在は普通選挙制が民主主義とみなされていますが、このつながり方が必然というわけでもないでしょうし、それとは異なる形の民主主義もあり得ると思われます。やはり普通選挙制が実現されているから民主主義と単純に言うことはできなくて、これらをつなぐ何かしらの靭帯が必要とされているのは間違いないでしょう。

参照文献:宇野重規『民主主義とは何か』(講談社現代新書)

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等比数列の和

等差数列と同様、等比数列でも第n項までの和をnを用いて表現することができます。先に等比数列の和の公式を示しておきます。

\begin{align} S_{n}=\frac{a(1-r^n)}{1-r}\cdots①\\ =\frac{a(r^n-1)}{r-1}\cdots①’\\ \end{align}

この公式の導入の仕方がけっこう重要なので、公式の求め方とセットで公式を覚えてみてください。

第n項までの和Snとそれに公比rをかけたrSnを上下に並べます(図1)。

このときにrSnの各項を一つずらして並べます。こうすることで上のSnから下のrSnを引くと、きれいに打ち消してS1のaとrSnのarnだけが残ります。左辺はSn-rSn=(1-r)Sn、右辺はa-arn=a(1-rn)になるので、両辺を1-rで割ると①の公式が出てきます。この手順を知っていると①の方が覚えやすいですが、計算は①’の方が簡単なことが多いです。それほど違いはないのでどちらかを覚えておけば問題ありません。

初項3、公比-2の等比数列a_n=3,-6,12,-24…を例にとってS_nを計算してみます。第n項までの和は①の公式より下のように計算できます。

\begin{align} S_{n}=\frac{a(1-r^n)}{1-r}\\ =\frac{3\{1-(-2)^n\}}{1-(-2)}\\ =\frac{3\{1-(-2)^n\}}{3}\\ =\{1-(-2)^n\}\\ \end{align}

第4項までの和S_4であればこの結果にn=4を代入して{1-(-2)4}=-15です。3+(-6)+12+(-24)=-15なので、確かに一致していることがわかります。

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等比数列

等差数列と並ぶ基本となる数列が等比数列です。これも具体例の方がわかりやすいので下に一例示します。

\begin{align} a_{n}=1, 2, 4, 8, 16, \cdots\\ \end{align}

初項が1で第2項がそれに2をかけて2、第3項が第2項の2に2をかけて4、第4項はさらに2をかけて8というふうに、その項に2をかけると次の項になっています。この各項にかけていく値を公比(上の例では2)と呼びます。等比数列はこのかけていく公比が等しいという性質があるので「等比数列」です。

等比数列では各項にかける値が等しいという性質を使って、一般項を表現することができます。上の例では初項1に2をかけて1×2が第二項、第二項の1×2にさらに2をかけて1×22が第3項というふうに、初項にその項数より1つ少ない回数で公比をかけることで各項の値が決定されます(図1)。

したがって第n項の値は初項aに公比rをn-1回かけて、下の公式となります。

\begin{align} a_{n}=ar^{n-1} \end{align}

初項3、公比-2の等比数列bn=3,-6,12,-24,48,…を例にとると、一般項は上の公式を使って下のように計算できます。

\begin{align} b_{n}=ar^{n-1}\\ =3\cdot(-2)^{n-1}\\ \end{align}

第4項の値ならnに4を代入して3・(-2)4-1=3・(-8)=-24となり、たしかに上の例の第4項-24と一致しています。

等差数列のときと同じで、等比数列の一般項もその性質をもとに簡単に導き出せるので、覚えるのが苦手な人は上の手順とセットで覚えるとよいと思います。
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等差数列の和

等差数列の初項から第n項までを足した値は、等差数列の和と呼ばれています。先に式を上げておきます。

\begin{align} 初項をa、末項(第n項目)をl、初項から第n項までの和をS_nとすると\\ S_n=\frac{n(a+l)}{2}\cdots①\\ =\frac{n\{2a+(n-1)d\}}{2}\cdots② \end{align}

①式から②の導入は簡単で、末項lは第n項のことなのでl=a+(n-1)d、これを①式のlに代入すれば②の式が出てきます。

これらの式の意味は、図1のようにして考えることができます。

第n項までの和Snを二つ、逆順にして並べて、二つのSnを足してみます。そうすると各項の差が等しいという等差数列の性質から、縦に足した二つの項の和(図1の各長方形)はどれも等しくなります。一番左のa+lも、その左のa2+an-1も、その右隣りも同じ値で、これが横にn個ならんでいます。ということは上下に逆順に並べたSnの和2Snは、a+lがn個でn(a+l)です。式で書くと2Sn=n(a+l)で、両辺を2で割ると、①の式Sn=n(a+l)/2が出てきます。

初項1、公差3の等差数列anでこの公式を確認してみましょう。前回の等差数列の一般項の公式より、一般項an=3n-2がわかります。

\begin{align} a_n=1,4,7,10,\cdots\\ 一般項a_n=a+(n-1)d\\ =1+(n-1)3 =3n-2\\ \end{align}

第4項までの和なら1+4+7+10=22で、①式を使うと4(1+10)/2=22となり確かに同じ値が出てきます。第n項までの和なら②式を使って下のように計算できます。

\begin{align} S_n=\frac{n\{2\cdot1+(n-1)3\}}{2}\\ =\frac{n(3n-1)}{2} \end{align}

この式にn=4を代入して計算すると4(3・4-1)/2=22となり、こちらも同じ値22が第4項までの和として求められます。
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