1.定義
人によってオートポイエーシス・システムの定義からして違うのですが、まず山下和也による定義を示します。
- オートポイエーシス・システム(山下和也):オートポイエーシス・システムとは、産出物による作動基礎付け関係によって連鎖する産出プロセスのネットワーク状連鎖の自己完結的な閉域である。閉域形成に参与する産出物を構成素と呼ぶ。(参照文献1、第1章、p.18)
このサイトではオートポイエーシス・システムの定義として上のものを使います。オートポイエーシス・システムを一言でいうと、「産出プロセスの連鎖的閉域」のことです。
2.システムの自己
オートポイエーシス・システムの自己とは何かというと、産出プロセスのネットワーク状連鎖の閉域が形成されたときの、そのネットワーク状連鎖のことです。オートポイエーシス・システムの自己と混同しやすいものに、構成素と構造があります。構成素は産出プロセスによって産出されるものです。産出する働きとは異なり、産出される構成素はオートポイエーシス・システムの自己ではありません。構成素は他のものから独立した一つのまとまりを形成しており、これをこのシステムの「構造」とよびます。構成素がシステムに属していないのだから、構造もまたシステムからは区別されることになります。
ここまでの説明では産出プロセスがどうやって連鎖的閉域を形成するかわからないと思います。産出された構成素は、次のプロセスの触媒になると思ってください。構成素は次の構成素を産出するのではなくて、構成素があることでその産出プロセスが働くということです。
言葉だけだと分かりづらいと思うので、生命システムの図で説明します。図1に簡略的なオートポイエーシス論による細胞システムを示します。

生命システム本体は、細胞高分子を構成素として産出するプロセスのネットワーク状閉域です。細胞膜は、構成素である細胞高分子のまとまりとしてあるので、構造になります。システム本体は「はたらき」の方なんですが、人間が観察できるのは細胞のような構造の方なので、人間には構造がシステム本体として見えます。
3.非線形科学との違い
オートポイエーシス論では、オートポイエーシス・システムの閉鎖系が強調されています。一方、第二世代システムにあたる非線形科学は、開放系が強調されています。
生命体を例にとると、身体外部から何かしらの物質を内部に取り入れて、他の物質に変換して外部に排出しています。だからオートポイエーシス・システムである生命体は閉鎖系と言われると、納得のいかなさが残ると思います。しかし自律的な作動の結果としてあると考えるなら、このことは副次的とみてよいと思います。閉鎖系より自律系という言葉だったら、抵抗が少なかったかもしれません。非線形科学の基本は散逸力学系みたいで、エネルギーの散逸じゃなくてもいいんですが、何かが流動していってその流れに巻き込まれるような感じで構造が現れて来るという感じなので、システムの存在する前からある何かの流れの方が主導的に思えます。非線形科学は開放系を強調するので、それに対抗して自律系ではなく閉鎖系と自称したのかもしれません。
4.マトゥラーナ、ルーマン、河本英夫による定義
マトゥラーナ、ルーマン、河本英夫による定義を示しておきます。問題点は構成素が構成素を産出する、というところでしょう。三人の定義とも、基本的には同じことを違う表現を用いた感じです。ただ、ところどころ理解の難しい記述があります。
4.1 マトゥラーナによる定義
- オートポイエーシス・システム(マトゥラーナ):オートポイエティック・マシンとは、構成素が構成素を産出するという産出(変形および破壊)過程のネットワークとして、有機的に構成(単位体として規定)された機械である。このとき構成素は、次のような特徴を持つ。(i)変換と相互作用を通じて、自己を産出するプロセス(関係)のネットワークを、絶えず再生産し実現する、(ii)ネットワーク(機械)を空間に具体的な単位体として構成し、またその空間内において構成素は、ネットワークが実現する位相的領域を特定することによってみずからが存在する。(参照文献1、第1章、p.12-13)
4.2 ルーマンによる定義
- オートポイエーシス・システム(ルーマン):オートポイエーシス・システムとは、その構造のみならず、システムがそれから成る構成素をも、まさにこの構成素自身のネットワークにおいて産出するシステムである。(参照文献1、第1章、p.14)
ルーマンは「自己言及」と呼ばれる事態でオートポイエーシス・システムを考えていて、ルーマンによる「自己言及システム」の定義は次のものです。
- 自己言及システム(ルーマン):あるシステムは、それからそのシステムが成る構成素を機能的単位としてみずから構成し、これら構成素間のすべての関係の中で、この自己構成への指示をともに走らせ、こうした仕方で自己構成を進行しつつ再生産する場合、自己言及的(selbstrefentiell)と呼ばれうる。(参照文献1、第1章、p.15)
4.3 河本英夫による定義
- オートポイエーシス・システム(河本英夫):オートポイエーシス・システムとは、反復的に要素を産出するという産出(変形および破壊)過程のネットワークとして、有機的に構成(単位体として規定)されたシステムである。(i)反復的に産出された要素が変換と相互作用をつうじて、要素そのものを産出するプロセス(関係)のネットワークをさらに作動させたとき、この要素をシステムの構成素という。構成素はシステムをさらに作動させることによって、システムの構成素であり、システムの作動をつうじてシステムの要素の範囲(Sich)が定まる。(ii)構成素の系列が、産出的作動と構成素間の運動や物性をつうじて閉域をなしたとき、そのことによってネットワーク(システム)は具体的単位体となり、固有領域を形成し位相化する。このときに連続的に形成される閉域(Selbst)によって張り出された空間が、システムの位相空間であり、システムにとっての空間である。(参照文献1、第1章、p.16-17)
5.参照文献
- 参照文献1:山下和也『オートポイエーシス論入門』(ミネルヴァ書房)
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コメント
≪…「産出プロセスの連鎖的閉域」…≫の眺望は、『自然比矩形』と『円環』とし数の言葉ヒフミヨ(1234)が普遍言語化していると観たい・・・
≪… 何かが流動していってその流れに巻き込まれるような感じで構造が現れて来るという感じなので、システムの存在する前からある何かの流れの方が主導的…≫で、
砂を円錐状に盛った「立砂」を、数の言葉ヒフミヨ(1234)の自然数を大和言葉の【ひ・ふ・み・よ・い・む・な・や・こ・と】の平面(2次元)からの送りモノとして眺めると、 「縄文人の知られざる数学」大谷幸市著 などから、[円錐体]に数の言葉の始原の記事を見つける。
『ヒフミヨ ヒンメリ』のコアが創る相似形の『直角三角形』の回転体の『円錐体』(√8π/3)にある。
このニ等辺三角形を等辺(3)底辺(2)としてグルッと一周する円錐体は、√8π/3 で、この風景こそ自然数の進む姿だ。
この三角形の『半分こ』の『直角三角形』(√8 1 3)が、1・2・3・4次元を纏めている。
1 は、π で水平な平面を創生し、
(驚異の定理)
3 は、線(1次元) 面(2次元)を縁起(関係)付け
(『ヒフミヨ ヒンメリ』)
√8 は、水平面と垂直面を縁起(関係)付け
( i⁴=1 4次元の1 )
と 数の言葉ヒフミヨ(1234)を宇宙へ羽ば立たせタイ・・・
ヒフミヨは冥途の土産勾股弦(自然数の量化 )
[神代の昔ご祭神が最初に降臨]を『神代の昔ヒフミヨが最初に降臨』として、数の言葉ヒフミヨ(1234)からの自然数の眺めは、[√8 1 3]の直角三角形の回転の立砂(円錐形)に象徴させタイ・・・
この風景は、2026年2月26日~3月16日 左京図書館 『 ヒフミヨのヒンメリの歌灯に 』で、『ミニミニ自然数のキュレーション』(自然数の[シンタックス]と[セマンティックス])を展開・・・
≪…オートポイエティック・マシン…≫として、『自然比矩形』(『自然数製造機』)を『ヒフミヨ座標』(直交座標)で、「食うものと食われるものの数学」山口昌哉著の風景を[ジグモイド曲線]の『HHNI眺望』で・・・
『ヒフミヨ座標』において、[反比例曲線]を[1 1]で縦軸の[0 1]区間の曲線を[π]回転させ、横軸[1]で裏返し([2π]回転)させたのを『自然(じねん)数のジグモイド曲線』として観タイ・・・
これを[ロジスティクス写像]での[ロジスティック写像の軌道図]が、[ロジスティクス方程式]の係数が[3]~[4] 付近で[コスモス・カオス]挙動するのを『球の数』の[3](空間)[4](時間)の『うつろい』に、[実数直線上]の通過点表示としての連続性(カオス帯同)の自然数の[シンタックス]と1・2・3・4次元に分化できる[セマンティックス]の自然(じねん)数を大和言葉の【ひ・ふ・み・よ・い・む・な・や・こ・と】の平面からの送り返しモノと十進法の基における桁表示の西洋数学の成果の符号からの送り返しモノとの縁起(関係)を想う・・・