1.事象の独立
ある事象とある事象がお互いの確率に影響を与えないとき、これらの事象は「独立」だと言います。事象Aの確率をP(A)、事象Bの確率をP(B)とすると、事象Aと事象Bが独立のとき、事象Aと事象Bが共に起きる確率はP(A)・P(B)です。集合論の記号も使うとP(A∩B)=P(A)・P(B)と表現できます。確率論において試行は「起こりうる結果がいくつかあり、そのどれか一つが偶然で起こる流れ」のことで、試行の集まりが事象ですが、高校数学の確率を考える分にはそんなに気にしなくてもよい言葉だと思います。
2.余事象
独立とは別に「余事象」の言葉もあります。「確率」で対象にできるのは起こるか起こらないかはっきりする事象です。起こるか起こらないかのどちらかなので、起こる確率と起こらない確率を足すとすべての場合を網羅して確率は1です。起こる確率をpとすると、起こらない確率は全確率1からpを引いて1-pで表現できます。このpと1-pの組み合わせはよく使うので、この表現の仕方を覚えておくと割といろいろなところで役に立ってくれます。
3.事象の独立と余事象の例
ちょっとした具体例で上のことを確認しておきます。AとBのくじがあって、Aのくじで当たる可能性が1/4、Bのくじで当たる可能性が1/5だとします。下の三つの場合の確率を考えてみることにします。
- Aで当たってBでもあたる場合。
- Aで当たってBではずれる場合。
- 少なくとも一方は当たる場合。
AのくじとBのくじは別々にあるので片方の結果がもう片方の結果に影響するなんてことはないでしょう。なので事象AとBは独立です。1では、「Aで当たる確率1/4」かける「Bで当たる確率1/5」=1/20の確率で、AとBのくじ両方に当たります。2ではAで当たる確率は1/4で、Bではずれる確率は1-1/5で4/5なので(余事象)、1/4×4/5で1/5です。3の「少なくとも」は確率の問題でよくみかける表現で、「少なくとも一方は当たる」の逆の現象にあたる余事象「両方ともはずれる」確率を1から引いてやるとでてきます。両方ともはずれる確率は
\begin{align} (1-\frac{1}{4})\cdot(1-\frac{1}{5})=\frac{3}{4}\cdot\frac{4}{5}\\ =\frac{3}{5}\\ \end{align}なので、少なくとも一方は当たる確率は1-3/5=2/5です。3の事象は「AとBともにあたるまたはAであたってBではずれるまたはAではずれてBであたる」と言い換えることができるので、検算のためにこの確率を計算してみると
\begin{align} \frac{1}{4}\cdot\frac{1}{5}+\frac{1}{4}\cdot\frac{4}{5}+\frac{3}{4}\cdot\frac{1}{5}=\frac{1}{20}+\frac{1}{5}+\frac{3}{20}\\ =\frac{2}{5}\\ \end{align}となり先に求めた値と一致しています。たいてい「少なくとも」の表現が入っている問題は「1-余事象の確率」で求めた方が楽ですので、その表現を見つけたらそちらのやり方でやってみてください。

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