二次関数と二次方程式 - 趣味で学問

二次関数と二次方程式

二次関数y=ax2+bx+cのグラフは放物線になるのでした。今回はこの二次関数と二次方程式ax2+bx+c=0の関係を見ることにします。結論を先に言うと、二次関数y=ax2+bx+cとx軸との交点におけるx座標が、二次方程式ax2+bx+c=0の解です。

関数は変数xとyの関係を表したものです。xがある値に決まるとyの値も決まります。逆にyの値が決まると、そのyの値をもたらすxの値も決まります。y=x2-2x-3…①の具体例で考えてみます。

①を平方完成するとy=(x-1)2-4…①’になります。これは頂点(1,-4)の放物線のグラフになります(図1)。あるxの値のときのyの値は、①か①’にxの値を代入して計算するとわかります。x=0のときなら①にこの値を代入してy=02-1・0-3=-3、x=2のときはy=22-2・2-3=-3です。どちらのxの値のときもy=-3になるのがわかったので、y=-3になるときのxの値はx=0またはx=2です。

今度は逆をたどって、y=0となるときのxの値を探してみましょう。放物線上でy=0となる点を探すと点Aと点Bです。では点Aと点Bのx座標はなぜこの値になるかというと、関数はxとyがお互いに自分が決まると相手も決まるような関係式であることから、y=0を①に代入して0=x2-2x-3を満たすxの値を調べることで見つけられます。そしてこのx2-2x-3=0(0=x2-2x-3の左辺と右辺を入れ替えただけで、どちらも同じ方程式です)を満たすxを見つける操作が、方程式を解くということでした。したがってx2-2x-3=0を因数分解して(x+1)(x-3)=0より、この方程式の解x=-1、3が①の関数とx軸との交点のx座標になります。

①の放物線でy=-3となるときのxの値をみつけるような場合も、二次方程式を解くことで可能です。y=-3を①に代入すると-3=x2-2x-3という二次方程式になるので、下のようにして解くと上で示したx=0 、2が解として出てきます。

\begin{align} -3=x^2-2x-3\\ 0=x^2-2x-3+3\\ 0=x^2-2x\\ x(x-2)=0\\ よってx=0, 2 \end{align}

言葉で説明するとかなり長くなりました。上手く理解できないときは、「放物線とx軸との交点のx座標は、y=0の二次方程式として解くと求められる」と機械的に覚えておいてもよいでしょう。

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むつきさっち

物理と数学が苦手な工学博士。 機械翻訳で博士を取ったので一応人工知能研究者。研究過程で蒐集した知識をまとめていきます。紹介するのはたぶんほとんど文系分野。 でも物理と数学も入門を書く予定。いつの日か。

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