角度表現の変更と拡張 - 趣味で学問

角度表現の変更と拡張

三角関数の説明の前に、角度についていろいろと拡張しておく必要があります。まずは三角比で0°から180°までに限定した角度をプラスとマイナス方向両方にぐるぐる回せるように拡張します。次は角度の表現を度数表現からラジアン表現に変更します。

まずは角度のラジアン表現からいきましょう。今まで回転の度合いを一回転で360°と定義して表現していました。これに対してラジアン表現では一回転で2πと定義します。半径1の円の円周が2πなので、角度もこの値で表現しておけばいろいろ楽になる、くらいの理由です。なのでこのこと自体はあまり気にしないでください。

左回りに一回転で2πなので、半回転でπ、1/4回転でπ/2です。図1に代表的な角度のうち、30°=π/6とそれにかかわる角度だけ示しておきます。

150°は180°- 30°なのでπ-π/6=5π/6です。同様にして210°=7π/6、330°=11π/6です。代表的な角度を全部覚えるのは大変なので、90°=π/2、180°=π、270°=3π/2、360°=2πあたりを覚えておいて、それをもとにして足したり引いたりしてその都度考えた方が楽です(もちろん覚えてもよいです)。下の表に代表的な角度をまとめておきます。

度数0° 30°60°90°120°150°180°
ラジアン0π/6π/3π/22π/35π/6π
度数210°240°270°300°330°360°
ラジアン7π/64π/33π/25π/311π/6

今度は回転を逆回転、何回転もできるように拡張します。拡張するといっても、逆回転は-をつけて、1回転以上は2πより大きい値で表現するだけです。逆回転では例えば-π/2はπ/2逆回転して結局3π/2回転したときと同じです(図2)。また一回転で2πなので、たとえば9π/4なら9π/4=2π+π/4となり、一回転してさらにπ/4回転するので結局π/4と同じになります。

次はラジアン表現での三角比の値です。

三角比の拡張(ラジアン表示) >>

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むつきさっち

物理と数学が苦手な工学博士。 機械翻訳で博士を取ったので一応人工知能研究者。研究過程で蒐集した知識をまとめていきます。紹介するのはたぶんほとんど文系分野。 でも物理と数学も入門を書く予定。いつの日か。

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