二項分布 - 趣味で学問

二項分布

成功と失敗のように必ずどちらかの結果となる試行を繰り返して、その結果の出現回数を確率変数Xとする分布を二項分布と言います。数Aの確率で出てきた反復試行の場合とかがこれにあたると思ってかまわないです。例えばサイコロを4回投げて、1か2の目が出る回数を確率変数Xとして確率分布表を作ると下のようになります。

X01234
確率16/8132/8124/818/811/81

各確率は二項定理のときと同じように組み合わせを使って計算しました。同じ二項の言葉が出てきて式もよく似ているので、言葉とセットでどういう場合か覚えると覚えやすいかもしれません。

関連ページ:反復試行の確率

横軸にXの値、縦軸に確率をとってグラフにすると、図1のような左に高い山のようなグラフになっています。必ず山型になるわけではないのですが、試行回数を増やしていけばどんどん左右対称の山型のグラフに近づいていくことがわかっています。

二項分布では一回、二回と試行を行っていくので確率変数の値も0、1、2のように飛び飛びの値を取ります。そのためこのような分布を離散確率分布と呼びます。ただ、高校数学では連続確率分布の言葉は出てくるのですが離散の言葉は出てきません。よく使う言葉なので、「離散」で飛び飛びの値を扱う場合と覚えておけばよいでしょう。

試行回数n、1回で起こる確率をpとしてB(n, p)のように表記します。上の例ではB(4, 0.33(1/3))です。
二項分布の場合、平均E(X)=np、分散V(X)=np(1-p)と簡単に表すことができます。この値の導出はΣを含む式を手数をかけて計算していくと出てきます。この導出は大学レベルの内容で、興味のある人はネットなどで調べてみてください。高校数学ではこの式を適用して具体的な計算ができれば問題ないです。B(4, 0.33)の場合はE(X)=4・0.33=1.33、V(X)=4・0.33・0.67=0.92になります。

<< 確率変数の変換 連続型確率分布 >>

むつきさっち

物理と数学が苦手な工学博士。 機械翻訳で博士を取ったので一応人工知能研究者。研究過程で蒐集した知識をまとめていきます。紹介するのはたぶんほとんど文系分野。 でも物理と数学も入門を書く予定。いつの日か。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA