等差数列の和 - 趣味で学問

等差数列の和

等差数列の初項から第n項までを足した値は、等差数列の和と呼ばれています。先に式を上げておきます。

\begin{align} 初項をa、末項(第n項目)をl、初項から第n項までの和をS_nとすると\\ S_n=\frac{n(a+l)}{2}\cdots①\\ =\frac{n\{2a+(n-1)d\}}{2}\cdots② \end{align}

①式から②の導入は簡単で、末項lは第n項のことなのでl=a+(n-1)d、これを①式のlに代入すれば②の式が出てきます。

これらの式の意味は、図1のようにして考えることができます。

第n項までの和Snを二つ、逆順にして並べて、二つのSnを足してみます。そうすると各項の差が等しいという等差数列の性質から、縦に足した二つの項の和(図1の各長方形)はどれも等しくなります。一番左のa+lも、その左のa2+an-1も、その右隣りも同じ値で、これが横にn個ならんでいます。ということは上下に逆順に並べたSnの和2Snは、a+lがn個でn(a+l)です。式で書くと2Sn=n(a+l)で、両辺を2で割ると、①の式Sn=n(a+l)/2が出てきます。

初項1、公差3の等差数列anでこの公式を確認してみましょう。前回の等差数列の一般項の公式より、一般項an=3n-2がわかります。

\begin{align} a_n=1,4,7,10,\cdots\\ 一般項a_n=a+(n-1)d\\ =1+(n-1)3 =3n-2\\ \end{align}

第4項までの和なら1+4+7+10=22で、①式を使うと4(1+10)/2=22となり確かに同じ値が出てきます。第n項までの和なら②式を使って下のように計算できます。

\begin{align} S_n=\frac{n\{2\cdot1+(n-1)3\}}{2}\\ =\frac{n(3n-1)}{2} \end{align}

この式にn=4を代入して計算すると4(3・4-1)/2=22となり、こちらも同じ値22が第4項までの和として求められます。
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むつきさっち

物理と数学が苦手な工学博士。 機械翻訳で博士を取ったので一応人工知能研究者。研究過程で蒐集した知識をまとめていきます。紹介するのはたぶんほとんど文系分野。 でも物理と数学も入門を書く予定。いつの日か。

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