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概念の定義まとめ

オートポイエーシス論では一般的な言葉を独自の意味で使うことが多いので、その独自の用法を知っておかないと、何が何だかわからないということになりかねません。このページではここまで出てきた概念の定義をまとめておきます。

1.1 オートポイエーシス・システム

産出プロセスのネットワーク状連鎖の自己完結的な閉域のこと。

1.2 システムの自己
産出プロセスのネットワーク状連鎖そのもの。

<< オートポイエーシスの定義

2.1 構成素
オートポイエーシス・システムにおいて、産出されて次の産出基礎付けとなるもの。

2.2 産出プロセス
構成素を産出するはたらき。産出元を産出されるものに変形すること。

2.3 構造
構成素の集まりがまとまりとなって統合されたもの。

<< システムの構成素

3.システムの分類

  • システム:相互に作用する要素の複合体。

3.1 アロポイエーシス・システム

入力に対して決められた出力をするように設計されて作られたシステム。機械のこと。

3.2 オートポイエーシス・システム

産出プロセスのネットワーク状連鎖の自己完結的な閉域。

3.3 第一、第二、第三世代システム

  • 第一世代システム:動的平衡(ホメオスタシス、フィードバック制御)
  • 第二世代システム:動的非平衡(カオス系、非線形科学)
  • 第三世代システム:オートポイエーシス・システム

<< システムの分類

4.1 環境

システムでないものすべて。構成素と構造も環境。

4.2 相互浸透

オートポイエーシス・システムと環境との間の相互作用。環境からどのように作用されるかはシステムが決定する。

4.3 攪乱

相互浸透の結果起こる、システムまたは環境に起きる変化のこと。

<< 環境との相互作用

5.1 オートポイエーシス・システムのコード

オートポイエーシス・システムにおいて、構成素の類型と産出の順序を決める規則。

5.2 構造的ドリフト

システムがその作動を通じて自分のコードを書き換えて変化すること。

<< システムのコード

6.1 個体性

オートポイエーシス・システムの単一性のこと。一つのオートポイエーシス・システムを形成する産出プロセスの閉域が一つの個体となる。

6.2 自律性

一度成立したシステムは自分で作動し続けるということ。
環境との相互作用において、作用のされ方を決めるのはあくまでシステムの方であり、停止や消失を決定するのもシステム本体である。

6.3 単位体(個体)としての境界の自己決定

システムの自己と環境の境界をシステム自身が決定していること。

6.4 入力・出力の不在

オートポイエーシス・システムにおいてはシステムの内部環境と外部環境の区別がつかないため、入力と出力の概念を適用することが不適切であるということ。入力や出力の概念が適用できるのは、構成素や構造にあたる。

<< オートポイエーシスの四つの性質

7.1 観察不能性

産出プロセスを観察できないので、産出プロセスの連鎖的閉域であるシステム本体も観察できないということ。

7.2 予測不可能性

たとえ個々の産出プロセスの性質がわかったとしても、システムの成立は創発(要素からは説明できない大域的な性質が現れてくること)としてあるので、システムの作動は予測できないということ。

<< システムの観察・予測不可能性

8.1 構造的カップリング

複数のオートポイエーシス・システムの複合によって、新たな構成素を設定して新たなオートポイエーシス・システムが実現すること。

8.1.1 依存

構造的カップリングしている場合において、元のシステムのどれか(いくつか)の消失が、必ず新たなシステムの消失を招く場合、後者は前者に依存しているとみなす。

8.2 システム分化

あるシステムの作動を通じて、別のオートポイエーシス・システムが差異分化して現れること。

<< 構造的カップリング

9.1 システムの自己言及

オートポイエーシス・システムのそれまでの作動が、新たな構成素の産出に際して攪乱を与え、その構成素もしくは構造の状態がシステムそのものの作動を反映すること。

9.2 言及システム

システムの自己言及によって作動する、まったく別の産出プロセスによる新たなシステム。

<< システムの自己言及 オートポイエーシス論の適用 >>

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むつきさっち

物理と数学が苦手な工学博士。 機械翻訳で博士を取ったので一応人工知能研究者。研究過程で蒐集した知識をまとめていきます。紹介するのはたぶんほとんど文系分野。 でも物理と数学も入門を書く予定。いつの日か。

One thought on “概念の定義まとめ

  1. ≪…オートポイエーシス・システム…≫で、数の言葉ヒフミヨ(1234)の[1]を十進法の基における西洋数学の成果の符号(i e π ∞)そして[0](空)で眺望したい・・・
    ≪…構成素や構造…≫を、1・2・3・4次元数体として、[1]と[π]の≪…構造的ドリフト…≫を、数学の演算符号に≪…構造的カップリング…≫と≪…システム分化…≫を経て、人(私たち)の[形態空間](ニッチ)で3・4次元で閉じてい(計算でき)る数の言葉ヒフミヨ(1234)を再認知する。
     0次元(空)の〇と□への2次元への≪…構造的カップリング…≫と≪…システム分化…≫が、[1]と[π]へどう内在(無意識化)し・されたかが、静なる『自然比矩形』と動なる『ヒフミヨ矩形』『ヒフミヨ渦巻』『ヒフミヨ放射』のカタチと、西洋数学の成果の符号(i e π ∞)とに呼応し・させている。
     [1]と[π]を相補的に捉えるコトで、数の言葉ヒフミヨ(1234)の コスモス ⇔ カオス を行き来できる数の言葉の世界を想う・・・ 

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