複素数平面 - 趣味で学問

複素数平面

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目次

1.一つの複素数を平面で表現する

数Ⅲで今後使用頻度が高くて、かつとっつきにくい分野は複素数平面でしょう。ベクトルや三角関数が利用されているので、この二分野が苦手だと苦労するかもしれません。逆に、これらの分野が利用されているので有用性が高いとも言えます。

複素数は数Ⅱで登場しています。二乗して-1になる数を新たに定義する必要があって、i2=-1を満たす数i(虚数単位)を導入した結果、実部と虚部を持つ複素数が定義されたのでした(25/07/19時点で未作成)。複素数は「a+bi」(aが実部でbが虚部)の形で、aとbiの二つの部分にわかれています。一つの複素数が融合不能な二つの部分をもつので、二つの軸を持つ平面で一つの複素数を表現しよう、というのが複素数平面の意味です。実数軸を横軸、虚数軸を縦軸にとって、a+biの実部の値aと虚部の値bを取り出して平面上の点として、一つの複素数を表します。たとえばA=3+4i、B=-2-2iの二つの複素数は図1のように、複素数平面上の点A、点Bとして表現されます。二つの軸方向の値、A=3+4iなら3と4を取り出してA(3, 4)と書けば平面ベクトルとして考えることもできます。

2.共役複素数と複素数の絶対値

ここで共役複素数と、複素数の絶対値(大きさ)の語を導入しておきます。共役複素数は元の複素数の虚部の値を正負逆にしたものです。A=3+4iの共役複素数はAバー=3-4iです。二次方程式の二つの虚数解は共役複素数の関係にあります。共役複素数は図2のようなx軸対称の関係となっています。

もう一つの絶対値は、その複素数の原点からの距離にあたります(図3)。

三平方の定理を使って、A=3+4iの絶対値|A|なら下のように計算できます。

\begin{align} A=3+4iのとき\\ |A|=\sqrt{3^2+4^2}=\sqrt{25}=5 \end{align}

3.複素数の足し算と引き算

ページの最後に複素数の足し算と引き算を示しておきます。複素数においても掛け算と割り算の方がはるかに難しいので、こちらは次ページで示します。複素数の足し算と引き算に関しては、ベクトルと同じように実軸と虚軸で別個計算すればよいです。複素数A=3+4i、C=2+iの足し算と引き算は下のように計算できます。

\begin{align} A=3+4i、C=2+i\\ A+C=(3+4i)+(2+i)\\ =(3+2)+(4+1)i\\ =5+5i\\ A-C=(3+4i)-(2+i)\\ =(3-2)+(4-1)i\\ =1+3i\\ \end{align}

A+C=D、A-C=Eとおくと、図4のようになります。点Dを見ると、OAとOCをもとに作られる平行四辺形の対角線になっていて、ベクトルの計算と同様の結果になっているのがわかります。

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むつきさっち

物理と数学が苦手な工学博士。 機械翻訳で博士を取ったので一応人工知能研究者。研究過程で蒐集した知識をまとめていきます。紹介するのはたぶんほとんど文系分野。 でも物理と大学数学も入門を書く予定。いつの日か。

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