接線の方程式 - 趣味で学問

接線の方程式

微分係数の値は、その関数のその点における接線の傾きを示しています。直線の方程式は傾きと通る点がわかれば一意に決まるので、微分を用いて関数の接線の方程式を求めることができます。関数f(x)上の点(a,f(a))でf(x)に接する接線の方程式は、次の手順で求めることができます。

  1. f(x)の導関数f'(x)を求める。
  2. f'(x)にx=aを代入して、x=aにおける微分係数f'(a)を求める。
  3. 接線の傾きf'(a)、通る点(a,f(a))がわかったので、y-f(a)=f'(a)(x-a)として接線を求める。

以上のように手順は簡単です。

具体例、「f(x)=x3-2x2-3x+1上の点(-1,f(-1))でf(x)に接する接線の方程式を求めよ」を解いてみます。

\begin{align} f'(x)=3x^2-4x-3\\ よって接線の傾きはf'(-1)=3\cdot(-1)^2-4\cdot(-1)-3=4\\ f(-1)=(-1)^3-2\cdot(-1)^2-3\cdot(-1)+1=1より、接線は点(-1,1)でf(x)に接する。\\ 以上より、求める接線はy-1=4\{x-(-1)\}\\ y=4x+5 \end{align}

グラフにすると図1のようになります。

もう一題、「f(x)=-x2+3x+6上にない点(-2, 0)を通るf(x)の接線を求めよ」を解くことにします。こちらの問題では接点の座標が与えられていないので、上で示した手順をそのままでは使えません。接点の座標がわからないので、いったん接点を(a, f(a))とおいて接線の方程式を求め、それが点(-2, 0)を通るとして方程式を解く必要があります。解答は下のようになります。

\begin{align} f'(x)=-2x+3より、f(x)上の点(a,f(a))における接線の方程式は\\ y-f(a)=f'(a)(x-a)\\ y-(-a^2+3a+6)=(-2\cdot a+3)(x-a)\\ y+a^2-3a-6=(-2a+3)x+2a^2-3a\\ y=(-2a+3)x+a^2+6\cdots①\\ この接線が点(-2,0)を通ることより、x=-2、y=0を代入して\\ 0=(-2a+3)\cdot(-2)+a^2+6\\ a^2+4a=0\\ a(a+4)=0\\ よってa=0,-4\\ したがって求める接線の方程式は①にa=0,-4をそれぞれ代入して\\ y=3x+6,y=11x+22\\ \end{align}

求める接線が2本、自動で求めることができました。

図で示すと図2のようになります。

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むつきさっち

物理と数学が苦手な工学博士。 機械翻訳で博士を取ったので一応人工知能研究者。研究過程で蒐集した知識をまとめていきます。紹介するのはたぶんほとんど文系分野。 でも物理と数学も入門を書く予定。いつの日か。

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