累乗根と指数法則 - 趣味で学問

累乗根と指数法則

中学数学ですでに、二乗してその数になる数を平方根と定義しています。二乗だけでなく三乗や四乗などでもこの考え方が適用できて、累乗根と呼ばれています。例えば8の三乗根は三乗して8になる数のことであり、これは2です。同じように16の四乗根は四乗して16になる数のことであり、これは2だけでなく-2もそうです。-1の偶数乗で正、奇数乗で負となることから、累乗根は偶数乗と奇数乗で扱いがことなります。

偶数乗根では正と負の二つの解があるので、ルート記号を用いて正のときはそのまま、負のときはマイナス記号をつけて表現します。これは平方根のときと同じです。たとえば16の四乗根は下のようになります。

\begin{align} \pm\sqrt[4]{16}=\pm\sqrt[4]{2^4}=\pm2 \end{align}

累乗根の√の計算例を二つほど示します。

\begin{align} \sqrt[3]{-125}=\sqrt[3]{(-5)^3}=-5\\ \sqrt[4]{32}=\sqrt[4]{2^5}=\sqrt[4]{2^4}\cdot\sqrt[4]{2}=2\sqrt[4]{2} \end{align}

累乗根には次のような定義があります。

\begin{align} \sqrt[n]{0}=0\\ \sqrt[2]{n}=\sqrt{n} \end{align}

また累乗根には次のような性質があります。

\begin{align} \sqrt[m]{a}\cdot\sqrt[m]{b}=\sqrt[m]{ab}\\ \frac{\sqrt[m]{a}}{\sqrt[m]{b}}=\sqrt[m]{\frac{a}{b}}\\ (\sqrt[m]{a})^n=\sqrt[m]{a^n}\\ \sqrt[m]{\sqrt[n]{a}}=\sqrt[mn]{a} \end{align}

前回紹介した有理数まで拡張した指数法則で、累乗根を表現可能です。累乗根の計算は累乗根の性質で計算してもよいですし、指数法則で計算してもよいです。自分は指数法則を使って計算しています。まずn乗根は下のように指数法則で変換できます。

\begin{align} \sqrt[n]{a}=a^{\frac{1}{n}} \end{align}

上の規則を使った計算例を、いくつか載せておきます。

\begin{align} \sqrt{2}\cdot\sqrt[4]{2^3}=2^\frac{1}{2}\cdot(2^3)^{\frac{1}{4}}=2^{\frac{1}{2}}\cdot2^{\frac{3}{4}}=2^{\frac{5}{4}}\\ \sqrt[3]{\sqrt{3}}=\sqrt[3]{3^{\frac{1}{2}}}=(3^{\frac{1}{2}})^{\frac{1}{3}}=3^{\frac{1}{2}\cdot\frac{1}{3}}=3^{\frac{1}{6}}\\ \end{align}

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むつきさっち

物理と数学が苦手な工学博士。 機械翻訳で博士を取ったので一応人工知能研究者。研究過程で蒐集した知識をまとめていきます。紹介するのはたぶんほとんど文系分野。 でも物理と数学も入門を書く予定。いつの日か。

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