不定積分 - 趣味で学問

不定積分

微分と対になる概念が積分で、積分は微分の逆操作にあたります。積分には大きくわけて不定積分と定積分があります。記号の意味を理解しやすいのは定積分ですが、不定積分から示されるのが通常で、ここでも計算しやすい不定積分からいくことにします。

先ほど述べたように微分の逆操作が積分であることから、不定積分は微分された関数の微分される前の形を求めることと考えることができます。新しい記号が導入されるので、先に不定積分の書き方を示しておきます。

\begin{align} f(x)の不定積分は\\ \int f(x) dx \end{align}

∫が積分記号でインテグラルと呼びます。dxがxについての積分ですよ、という意味です。積分規則を示す前に不定積分の具体例からみておきましょう。f(x)=2xの不定積分を計算すると、∫2xdx=x2+Cとなります。後ろに突然くっついてきたCは後回しにして、C以外の部分では2xの積分がx2になっています。この計算は微分の逆操作が積分ということを利用していて、実際に積分結果のx2を微分するともとの2xになります。後回しにしたC(積分定数という)も、微分と積分が逆操作ということから説明可能です。定数項を微分すると0になるので、例えばx2+1でもx2-2でも、微分すると定数項の+1や-2が0になって、同じ2xという微分結果になります。なので微分された後の2xという結果には、もとの定数項の情報が消えてしまっているので正確に再現できません。そこで具体的な値はわからないけど、もとの関数には何かしらの定数項がありましたよ、という意味で積分定数と呼ばれるCを加えておく規則になっています。

数学では積分を山ほど計算しないといけないんですが、とりあえず数Ⅱの範囲では次の規則だけ覚えて使えるようになればよいです。

\begin{align} n\neq-1のとき \int x^n dx = \frac{1}{n+1}x^{n+1}+C~(Cは積分定数)\\ \int af(x) dx = a\int f(x) dx\\ \int \{f(x) + g(x)\} dx = \int f(x) dx + \int g(x) dx \end{align}

計算例をいくつか示しておきます。

\begin{align} \int x^2 dx = \frac{1}{3}x^3+C\\ \int \{2x^2-4x\}dx = \int 2x^2 dx – \int 4x dx \\ = 2 \int x^2 -4 \int x dx\\ =2\cdot\frac{1}{3}x^3-4\cdot\frac{1}{2}x^2+C\\ =\frac{2}{3}x^3-2x^2+C\\ \int 2 dx = \int 2\cdot x^0 dx = 2x+C \end{align}

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むつきさっち

物理と数学が苦手な工学博士。 機械翻訳で博士を取ったので一応人工知能研究者。研究過程で蒐集した知識をまとめていきます。紹介するのはたぶんほとんど文系分野。 でも物理と数学も入門を書く予定。いつの日か。

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