指数法則 - 趣味で学問

指数法則

指数関数の前に、乗法に関する法則をまとめておきたいと思います。乗法の形の式計算はいろいろなところで使ってます。乗法公式は中学数学ですでにでてきていて、それを拡張していきます。

まず累乗の性質として、a0=1、a-1=1/aが決められています。そして指数法則は次の通りです。

\begin{align} a\neq0、b\neq0のとき\\ a^m \cdot a^n=a^{m+n}\cdots①\\ (a^m)^n=a^{mn}\cdots②\\ (ab)^m=a^mb^n\cdots③\\ \end{align}

mやnは中学数学では正の整数に限定されていましたが、これを有理数まで拡張可能です。mやnが整数の場合は指数法則は理解しやすいです。たとえばa3×a2なら(a×a×a)×(a×a)のことでaが5個かけられた形なのでa3+2=a5です。こんなふうに累乗のもとの意味を考えればすぐに理解できますが、有理数へ拡張した場合は理解は困難です。ひとまず有理数でも成立していることが確認できたので使用してみる、くらいで十分です。

たぶん具体例の方がわかりやすいので、具体的な計算例をいくつか示します。

\begin{align} 2^3 \cdot 2^2=2^{3+2}=2^5\\ 2^3 \cdot \frac{1}{2^4}=2^3 \cdot 2^{-4}=2^{3-4}=2^{-1}=\frac{1}{2}\\ 2^{\frac{1}{2}} \cdot 2^{\frac{2}{3}}=2^{\frac{1}{2}+\frac{2}{3}}=2^{\frac{7}{6}}\\ (3^2)^3=3^{2 \cdot 3}=3^6\\ (3^4)^{-\frac{1}{2}}=3^{-4 \cdot \frac{1}{2}}=3^{-2}=\frac{1}{3^2}=\frac{1}{9}\\ (2^{\frac{1}{2}} \cdot 3^2)^2=(2^{\frac{1}{2}} )^2 \cdot (3^2)^2=2^{\frac{1}{2} \cdot 2} \cdot 3^{2 \cdot 2}=2 \cdot 3^4\\ \end{align}

上でa7/6とか出てきているのでなんのことかわからないでしょうが、これはaの7乗の6乗根を意味していて、次回これら累乗根の説明をすることにします。

むつきさっち

物理と数学が苦手な工学博士。 機械翻訳で博士を取ったので一応人工知能研究者。研究過程で蒐集した知識をまとめていきます。紹介するのはたぶんほとんど文系分野。 でも物理と数学も入門を書く予定。いつの日か。

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