定積分の計算 - 趣味で学問

定積分の計算

定積分が何にあたるかとかは次回に回して、先に定積分の計算の仕方を示しておきます。定積分は限られた範囲での不定積分と思って問題ないです。定積分の計算は下のように行います。

\begin{align} 関数f(x)の不定積分をF(x)とすると、x=aからx=bまでの定積分\int_{a}^{b} f(x) dxは\\ \int_{a}^{b} f(x) dx=[F(x)]^b_a\\ =F(b)-F(a) \end{align}

式で書くと分かりづらい人もいると思いますが、f(x)を不定積分して、xにbを代入したものからaを代入したものを引く、という操作を行っています。具体例の方がわかりやすいので一つ解いてみます。

\begin{align} \int_{2}^{5} x^2=[\frac{1}{3}x^3]^5_2\\ =\frac{1}{3}5^3-\frac{1}{3}2^3\\ =\frac{1}{3}117\\ =39 \end{align}

不定積分で加える積分定数は、不定といってもある一つの定数なので、定数から同じ定数を引いてなくなるため定積分では加えなくてよいです。

計算規則として下のものがあって、規則の意味は定積分が何をあらわすかを知れば自然とわかると思います。覚えやすい規則なので問題なく覚えられるでしょう。

\begin{align} \int_{a}^{b} k f(x) dx = k\int_{a}^{b} f(x) dx\\ \int_{a}^{b} \{f(x) + g(x)\}dx = \int_{a}^{b} f(x) dx + \int_{a}^{b} g(x) dx\\ a < t < bのとき\int_{a}^{b} f(x) dx = \int_{a}^{t} f(x) dx + \int_{t}^{b} f(x) dx \end{align}

計算の具体例を一つ示します。

\begin{align} \int_{2}^{3} \{2x^2+3x+1\} dx = 2\int_{2}^{3} x^2 dx + 3 \int_{2}^{3} x dx + \int_{2}^{3} 1 dx\\ =2[\frac{1}{3}x^3]^3_2 + 3[\frac{1}{2}x^2]^3_2 + [x]^3_2\\ =\frac{2}{3}(3^3-2^3)+\frac{3}{2}(3^2-2^2)+(3-2)\\ =\frac{127}{6} \end{align}

定積分の計算は面倒くさいことが多いです。多少は工夫で楽になりますが、面倒くさいものだと割り切った方がよいでしょう。

<< 不定積分 定積分が表すもの >>

ホーム » 高校数学を理解する » 数2B » 定積分の計算

むつきさっち

物理と数学が苦手な工学博士。 機械翻訳で博士を取ったので一応人工知能研究者。研究過程で蒐集した知識をまとめていきます。紹介するのはたぶんほとんど文系分野。 でも物理と数学も入門を書く予定。いつの日か。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA